2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『ピラネージ』スザンナ・クラーク

読み手の想像力に挑むような小説は、年齢のせいか昔からの性分のせいか、なんとなく苦手意識がある。「なんでこうなった」とか「どうしてこうなるのか」という疑問が解決されないまま、展開の方が先に進んでしまって追いつけないような感じになる。以前、ス…

『眠りの航路』呉明益

呉明益の本を手に取るのは『自転車泥棒』についで二冊目である。他にも邦訳作品がある中で『眠りの航路』を選んだのは、『自転車泥棒』でこの作品が言及されていただけではなく、戦時中の日本の海軍工廠での生活が描かれていること、さらに、三島由紀夫が登…